コロナ融資後の倒産ラッシュの到来に対する対策の必要性

本日は、県議会候補の応援で夙川沿いの桜並木を通らせていただきましたが、好天の元、桜が満開であり、多くの皆様が花見をされていました。

一方、懸念されていることでしたが、2022年末から2023年に入り、中小企業や個人事業者の倒産が急増しているようです。

これまで新型コロナウィルス禍の各種支援策で経営破綻を免れていたものの、販売不振や人手不足などの顕在化によって経営の継続が困難になるケースが頻出しています。

コロナ禍により経済活動が停滞した2020年から21年は、多くの企業の売り上げが減少しましたが、実質無利子・無担保で借入ができるゼロゼロ融資や金融機関の返済猶予を行うリスケジュール支援などによる政府の支援策によって企業の倒産などはそれほど目立ちませんでした。

しかし、22年に入り、支援を受けても業績回復に向けた将来的な展望が見えないケースが顕在化し、同年4月以降は倒産件数が増加しました。

特に22年末からは、インフレや人件費の高騰などが原因となり、特に中小企業にとって厳しい状況が続いているとのことです。

また、その他の要因として後継者が見つからない、物価高の負担などがあります。

全国の企業の代表取締役の平均年齢は、70歳以上が3割を超えており、後継者難による倒産は毎年400件以上発生しています。

特に中小企業においては、社長の技術力や人脈が非常に重要であり、社長の交代により後継者が適切に事業を承継できるかが問題となります。

また、同時に税制の問題もあり、政府は、2018年から、「事業承継税制」を大幅に緩和しい、株式譲渡を行った際の、贈与税・相続税について一定の要件のもと、納税の猶予、免除などの制度が設けられています。もっとも、同制度は、承継計画を2024年3月までに提出する必要があり、認知度などに問題があるようです。

また、事業承継に関連して、M&Aの件数が3倍以上に増加するなど活発な動きもあります。

コロナ融資後の企業や個人事業主の事業資金の確保、借入金の返済については、法律上も個人再生手続きや特定調停の利用などいくつかの制度が設けられていますが、やはり、行政による継続的な支援が望まれるところだと考えます。