給食費の無償化については、現在、様々な地方自治体で積極的な取り組みがなされています。例えば、東京都では、9区1市が無償化に踏み切り、品川区では、区立小中学校計46校、2万3000人に対し、所得制限なしに全額負担をしています(経費13億4000万円)。
また、東京23区で最も人口の多い世田谷区でも、対象生徒5万人に対し全額負担を実施しています(経費26億5900万円、期間1年間)。
地方でも、大阪市では、2020年から所得制限を設けずに小中学校で無償化を実施していますし、近時では、香川県丸亀市が、新年度から市立小中学校の給食費の完全無償化に踏み切るようです。ちなみに県内でも期限を設けず無償にするのは初めてとのことです(経費3億9513万円)。
西宮市においても、昨年の10月から本年3月までの半年間、給食を無償化しました。これは、新型コロナ対策の臨時交付金を財源にしたもののようです。無償化の通知をみたときは、西宮も頑張ってくれてると思いましたが、今年の4月以降は、給食費の有償化に戻すだけでなく、材料費の高騰を理由に少し、給食費が上がるようです(1食あたり小学校25円、中学校28円)。2023年度は、臨時交付金を財源にするため、実質的なご家庭の負担はないようですが、いずれにしても、給食費完全無償化の流れに逆行する判断といわざるをえないと考えます。
学校給食法では、「給食の普及と健全な発達を図ることを国や自治体の任務とする。」と明記しています。子供の成長を支え、充実した食環境を整えるという観点からは、家庭の経済事情や各地方自治体の財源によって区別するのではなく、すべての小中学生が、平等に無償化の恩恵に預かれることが必要性あると思います。