阪急武庫川新駅設置事業の現状について(令和7年2月3日総務常任委員会報告)

中野国土交通大臣の阪急武庫川新駅視察に総務委員会委員として参加させていただきました。同事業は、武庫川にかかる鉄道橋に新駅を設けるものですが、令和7年2月3日の総務常任委員会において「阪急武庫川新駅設置事業の事業費等の見直しについて」所管事務報告がされていますので、そのご報告を含めて、本市の阪急武庫川新駅設置事業の現状についてまとめてみました。

1 これまでの経緯および今後のスケジュールについて

(これまでの主な経緯)

  • 昭和17年 5月  西宮市と旧瓦木村との合併条件の覚書(阪急武庫川西堤防への停留所設置の実現に努力すること)を交換
  • 平成12年 10月  旧瓦木村管内の自治会、町内会、農会等12団体で、「阪急武庫川駅誘致推進協議会」を設立
  • 令和 3 年 9月 (仮)武庫川周辺阪急新駅設置による効果・影響に関する報告書の作成
  • 令和4年11月 本市、尼崎市、阪急電鉄で「基本合意書」を交換
  • 令和6年1月 日野町・松並町・松山町を対象に説明会を開催
  • 令和6年8月 本市、尼崎市、阪急電鉄で「概略設計に関する協定書」を交わし、設計に着手
  • 令和7年4月 本市、尼崎市、阪急電鉄で「基本協定」を締結し事業に着手

(今後のスケジュール)

  • 令和7年  駅舎等の詳細設計を実施
  • 令和8年度の秋以降(非出水期)工事に着手
    ※準備工(現地測量、現場事務所建築等)については令和8年夏頃に着手
  • 令和13年度末 新駅開業目標

2 工法の見直しについて

当初、市は、鉄道施設の整備費について、標準的なクレーン架設を前提に、約50億円と積算していました。

しかし、物価等の上昇やクレーン規格の大型化などに伴い、事業費の見直しを行ったところ、概算ですが、整備費が倍以上になることが判明したため、施工方法の見直しを含め、送り出し工法への変更を検討しています。

送り出し工法のメリットとしては

  • 出水期においても、河川外からの作業が可能であり、工期短縮が図られる
  • 鉄道近接での施工において、クレーン架設よりも安全面で優れている
  • 河川内での仮設構造物の設置が、クレーン架設と比較して軽微となる
  • クレーンの大型化による施工と比較して、事業費が抑制される

などが挙げられます。

3 総事業費(鉄道施設(駅舎等)含む)の見直しについて

市は、これまで本事業の総事業費を約56億円と試算していました。

しかし、上記のとおり、これは、平成30年度以前に標準的な工法を基本として積算したものであるところ、設計や施工方法の深度化を実施するとともに、近年、社会情勢の変化により人件費や資材価格が高騰していることに鑑みると、概算であるが、鉄道施設の整備費が倍以上になることが判明しました。

 そのため、上記の工法の見直しを含め整備費を見直した結果、総事業費が約92.6億円となり、36.6億円の増額となりました。

 鉄道施設(駅舎等)の整備費の負担割合は、国3分の1、阪急電鉄3分の1、自治体3分の1(本市6分の1、尼崎市6分の1)を基本として積算しています。

4 事業効果について

本事業の事業効果としては、以下のとおり推計されています。

(1)利用者数

本市側の新駅の乗降客数は1万935人
自転車利用台数は379台

(2)税収の増加

個人市民税1億3800万円/年
固定資産税・都市計画税9800万円/年の税収見込み
合計2億3600万円/年の増収

*文中資料は、令和7年2月3日総務常任委員会資料より抜粋