総務省の調査によると、全国の自治体で管理保管していた無縁遺骨が約6万柱(そのうち身元がわからない遺骨は6千柱)、死亡時に引取手のいなかった死者の数が2018年4月から2021年10月までの間で約10万6000人、遺留金(引取手のない現金・預貯金)が約21億5000万円に上るとのことです。
高齢化が進み、地縁や血縁が薄れる中、引き取り手のないご遺体・ご遺骨や遺留金の問題とともに、それを管理する自治体の負担も相当なものに上ります。
死亡時に引き取り手がいないご遺体については、埋葬法により行政が葬儀費を負担しますが、葬儀費の基準額が約21万円/1件かかり概算すると100億円を超える葬祭費を行政が負担したことになります。
一方、遺留金については、現金については、葬儀費充てることができますが、預貯金については、金融機関の対応で、相続人がいることを理由に引き出しを拒否されたり、相続放棄の証明などを求められるケースがあり、引き出しができないこともあるようです。
亡くなられた方に対し、最低限の弔いをさせていただくことは大切なことだと思います。一方、この問題は、今後も独居老人の方が増え、また、核家族化により地域や家族の絆が乏しいケースが多くなることから、行財政を圧迫することになることは明らかです。
やはり、地域コミュニティの活性化などにより、生前からのつながりを持てる地域を築くとともに、死後の葬儀や財産処分についての意向を明確にする取り組みを行うことが必要だと思われます。