リスキリングについて

日経新聞に教育(リスキリング)に関し、非常に参考になる記事が掲載されておりましたので、ご紹介させていただきます。

リスキリングに関するフィンランドのリー・アンデルソン教育相の発言ですが、要約すると以下のとおりとなります。

社会の急速な変化に対応するために、子供の教育や大人の学びなおし(リスキリング)の重要性が注目されている。
フィンランドでは、教育は成長への投資と考えられ、国をあげてすべての国民が生涯学び続けられる環境づくりに力を入れてきた。

どんな背景を持つ人にも平等に機会を与える必要があり、フィンランドでは学校の大半は授業料が無料である。
2021年から義務教育の年齢を16歳から18歳に引き上げた。義務教育引き上げによる効果が表れるには10年は必要と考える。

大人の学び直しにも注目しており、大人になってからの学習効果を高めるには、幼少期からの教育が必要である。
教育は投資であり、かつて他の北欧諸国などに比べて貧しかったフィンランドが成長したのは教育に力を入れてきたからだ。教育レベルを向上させるためには、デジタルを教育に取り入れることが大事だ。

社会経済的な格差が拡大する中で問題は、教室の中だけでは解決されない。子供や親の健康など支援は様々な場面で必要になる。

市政においても大変参考になることが含まれていると思います。

維新八策においても、多様性を支える教育・将来世代への徹底投資は謳われているところですが、将来世代への投資は、その後、投資をした子供たちがその能力を十二分に生かした社会活動を行うことによって、その活動の成果が行政に還元されるところでもあり、非常に重要だと思われます。

私が、すごいと思ったのは、現在の子供たちだけでなく、大人の学び直しまで視野に入れていること、義務教育年齢の引き上げの効果に10年を要すると長期スパンで計画をたて、ぶれない政策を進めていこうとする点です。政策に基づく効果が見えてくるまでには一定の期間をかける必要があり、行政として市民の皆様にご理解をいただきながら、長期的な行財政計画を進めていくことが必要であると考えます。

また、教育に関する問題を経済的な格差だけでなく子供や親の健康など総合的にとらえている点がすばらしいと思います。市政においても、子育てに対する経済的な支援はもちろんですが、虐待・DVの問題やいじめの問題に対する対応など総合的に子育ての支援を進めていく必要があると再確認させていただきました。